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フィン・ユール

フィン・ユール -キタニが受け継いだデザインと技

フィン・ユール

 
 

美しい曲線と考え抜かれた完成美

20世紀中期にあった北欧家具の黄金期。その時期に活躍したデンマークを代表する家具デザイナーであったフィン・ユール。彼の作品の魅力は、美しい曲線とその考え抜かれた完成美にあり、「家具の彫刻家」と呼ばれています。彫刻作品を思わせる彼の作品にみられる独創性は、他に類を見ることはできません。彼の代表作である「No.45」をはじめ数多くの作品を発表し、現在では世界各地の美術館に永久コレクションとして収蔵されています。
フィン・ユールのデザインを世に出したのがスネーカーマスター(技を極めた家具職人に与えられる最高位)ニールス・ヴォッダーでした。デンマーク王立美術大学で建築を専攻したフィン・ユールは家具をつくる技術がなく、イメージスケッチをヴォッダ―が図面化し家具にしたといわれています。また座面がフレームから浮いているようなデザインもあってか、「椅子の構造が分かっていない」と酷評されますが、それを支えたのがヴォッダーの技術力でした。1937年、家具職人ギルド展示会に出展して以来、約20年にわたってパートナーを組み、フィン・ユールも絶大な信頼をおいていたといいます。
フィン・ユール アーム
 
高山本社でご覧いただける貴重なフィン・ユールの家具


 

	キタニが作るフィン・ユール -効率を優先せず合理化しない作業工程

 
長年のリペアの経験から得た発見
 
キタニはフィン・ユールの奥様と直接ライセンス契約を結び、通称№53(キタニ品番 FJ-01、FJ-02)を世界で唯一ライセンス生産しています。ここに至るまでには長い道のりがありました。
キタニがフィン・ユールの家具を復刻する際、いくつかの同じモデルがありましたそれぞれディーテールが異なっていました。例えば同じ№53でも個体ごとに異なっており、製造年も不明ですのでどうして違うかが当時はわかりませんでした。1995年頃リペアをしながら独学で技巧面を吸収しようとしていた時期ですので、どのような経緯で椅子が作られていたかわからなかったのです。
その後、フィン・ユールの家具を作っていた工房は職人が4~5人の小さい工房で、外注製作にも依存していたことがわかりました。現在のように画一化された設計図面があったわけでなく現場での型によって作られていたため製作年及び職人によっての個体差があったようです。№53に関しては前期と後期というようなくくりで全体形状が分かれるようです。このような発見も20年近くリペアをしてきてわかってきたことです。
 
美しい形状の肘部分と進化した縫製技術
 
キタニが復刻するに当たり見本にしたモデルが現在マスターモデルとしてあるキタニ管理番号0488のNV-53です。そしてウッド部門の現場にある分解した№53の部材です。
特に肘の形状は個体差があり一番美しい形状を選択し若干のアレンジをしています。リペアを通じた試行錯誤の中で、キタニの作るフィン・ユールの家具は、フィン・ユールの奥様ハナ女史はじめフィン・ユール財団にも認められる高い完成度を誇るものとなりました。
また、唯一キタニの進化した部分は縫製についてです。当時の張りは構造体が手作り感覚でしたので張り枠に関してはアバウトな形状精度であったようです。したがって張りの仕上げは手縫いで仕上げるしかなかったようです。また、木部は工房で製作されたようですが、張りは外注の張り専門の工房や個人の職人に依頼していたようですので仕上りにも個体差があったように想像されます。キタニは、張りの構造を精度よく製作することの重要性を、受注家具を請け負っていいた時代からの経験で認識していましたので、張り枠の個体差をなくす工夫を重ねてきました。その結果手縫いの必要がなくなり、ミシン縫製したカバーを張ることができましたので、全体のフォルムが美しく仕上がるようになりました。クッション素材も分解して得た天然構造素材を採用していますのでリバイバルモデルともいえると思います。

キタニはマスターモデルを大事にして現場での技巧伝承に努めています。張りの完成度、耐久性、木部の手工芸工程の要素など、バランスの取れた完成された家具であるという自信をもってお客様にお届けしています。
フィン・ユール 作業工程
 

寛ぎの空間を演出するフィン・ユール